今回の金環日食は国内では25年ぶり。首都圏で見られるのは、実に173年ぶりと言われたおります。また、今回観察される時間帯が通勤、通学時間帯と重なるため、多くの人が見られると予想されております。 金環日食は皆既日食とは異なり、太陽が完全に隠される状態にはなりませんので、非常に明るい太陽の形を観察することになります。そこで、眼に障害を負うことのないよう、適切な対策をとることがきわめて重要です。 過去の日食では、「日食網膜症」という眼の障害事例が多数報告されており、視界の中心に見えない部分が残ったり、視力低下にいたる自覚症状も出ています。太陽光にはダメージを与えやすい波長の光が含まれていて、眼の中で光化学作用が起こることが、日食網膜症の主な原因であると指摘されています。 適切な観察方法が求められます。
望遠鏡や双眼鏡で太陽を見てはいけないことはもちろんですが、太陽を裸眼で直接見上げることも、わずかな時間であっても大変危険ですので、気をつけなければなりません。 日食観察には危険が伴うことを正しく理解し、太陽を直接見ることのないよう、事前に準備をしておくことが必要です。具体的な方法としては、日食めがねを使う方法、ピンホールカメラの原理で映った像を見る方法、天体望遠鏡に太陽投影板を取り付ける方法、太陽観測のために開発された専用の望遠鏡や観察装置を使うこと、などがあります。太陽を観察することを想定して開発された製品を選ぶということが、安全確保への第一歩といえるでしょう。 しかしながら、それだけで絶対安全ということにはなりません。
目に障害を負ったと思われたら、早めに眼科で診察を受けてください。