Q:人間ドックで、「視神経乳頭陥凹拡大」があり、緑内障が疑われるので要精査と言われました。眼圧は高くありませんが、緑内障でしょうか?
人間ドックの眼科検査には、通常、「視力検査・眼圧検査・眼底写真」の三点があります。
今回は、そのうちの眼圧検査・眼底写真について解説します。
眼圧とは、眼球の硬さ(内圧)のことを言います。数値が高いと「緑内障」が疑われます。人間ドックの眼圧検査では、プシュッ!と目に風を感じる非接触型の眼圧測定器が使われることが多いです。測定時の風が当たる不快感で目を大きく開けられなかったりしても異常値が出てしまうこともありますが、眼圧異常が指摘されましたら、眼科での精密検査をお勧めいたします。
眼底とは、眼球の内側の壁のことを言います。網膜と言う映像を映すフィルムがある場所です。人間の血管、例えば手の甲に血管が見えますが、皮膚に覆われているので、直接見ることは出来ません。しかし、眼底(網膜)の血管は、角膜や水晶体と言った透明な組織を通して直接見ることが出来ます。つまり、眼底写真を撮るのは、元々は眼科の病気を見つけるためではなく、眼底の血管の状態から、高血圧性変化、動脈硬化性変化をみて、全身の状態を判断する補助的は検査でした。しかし、眼底写真を撮ると、眼底出血の有無や視神経乳頭の変化なども観察することが出来るため、糖尿病網膜症や緑内障などの失明原因の上位にある眼科的疾患の有無も判定可能です。
近年、日本では眼圧が高くない緑内障の比率が高いことが分かり、このタイプの緑内障は「正常眼圧緑内障」と言われております。眼圧検査の数値が高くなくても、眼底写真で「視神経乳頭陥凹拡大」と記されていたら、緑内障が強く疑われます。放置せずに、眼科で詳しい検査を受けてください。
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2012年7月21日 カテゴリ:みたにアイ ニュース, 緑内障