一滴で充分な効果があるように点眼容器は設計されていますので、一回に一滴さしてください。同時に何滴もさすと、あふれ出てマブタが荒れたり赤くなったりする原因になります。あふれ出た液は、ティッシュなどで拭き取ってください。
緑内障の一部の治療薬は、まつ毛が濃くなったり、マブタに色素沈着をおこしたりする副作用がありますので、点眼後に洗顔することを奨励しております。ご自身がお使いの点眼薬がそのような副作用を持つか不明な場合は、主治医または薬剤師にご確認ください。
5分以上開けてさしてください。5分以上なら30分でも1時間でも結構です。同時にさしたり間隔が短いと先にさした目薬が洗い流されたりして効果が薄まります。目薬をさす順番に厳密な基準はありませんが、軟膏を一緒に使っている場合は、軟膏は最後に使ってください。また、何種類も目薬をさしている場合は、1、2、3など自分でさす順番を決めておくことで、さし忘れやさし間違いを防ぐことができます。
一日4回の目薬は、朝・昼・夕・夜(寝る前など)、一日3回の目薬は、朝・昼・夕にさしてください。一日2回の目薬の多くは、朝・夜(12時間間隔)にさしてください。一日1回の目薬は、朝1回のものと夜1回のものがありますので、主治医にご確認ください。一日1回の目薬は24時間間隔でご使用いただくものですので、昨日は夜、今日は朝というようなご使用は望ましくありません。
自分であるいは家族の人などにてつだってもらい下マブタを裏返して(あっかんべーの状態)、チューブから直接くすりを入れます。くすりを入れたら、マブタの上から軽くマッサージしてあげると、くすりが行きわたりやすくなります。
以前は、目薬の中に特殊な添加物が入っていたことがあり、寝る前にさしてはいけないと言われていました。現在は、そのような添加物は入っていませんので寝る前にさしても大丈夫です。但し、さす時間が決められている目薬もありますので、主治医にご確認ください。
ほとんどの目薬は、室温で保存できます。但し、冷所保存が必要な目薬もありますので、主治医や薬剤師にご確認ください。また、多くの目薬は使いきるまで、ご使用が可能ですが、防腐剤という添加物が入っていない目薬は、使用期限が決まっていることがあります。主治医や薬剤師にご確認のうえ、指示を守ってお使いください。
衛生的にご使用いただくためには、まつ毛やマブタに触らない方が良いです。顔を天井に向けて少し離れた位置から目薬をさしたり、下マブタを指でさげながら容器を押して液を少し飛ばすようにさしたりするのも良いと思います。特に、防腐剤の入っていない目薬は出来るだけ衛生的にご使用ください。
周りに手伝ってもらう人がいない場合は、目薬をさすことを補助する器具も市販されておりますので、主治医や薬剤師にお尋ねください。
どんなコンタクトレンズでも、目にのせると眼球への酸素供給が裸眼よりも減ります。コンタクトレンズによる眼球への慢性の酸素不足は、「目の将来」に影響する角膜内皮細胞障害を引き起こしたり、目の感染症を起こしやすくさせることもあります。
またコンタクトレンズを安全に使っていくためには、レンズケアを「正しい方法で毎日・確実に」行う必要があります。ソフトコンタクトレンズやレンズケース内に繁殖した細菌・カビなどが重篤な視力の低下につながる角膜感染症の原因になるからです。
小学生はまだ成長期です。一日使い捨てソフトコンタクトレンズを含め、どんなコンタクトレンズでも目に負担になる上、管理が不十分であれば非常に危険です。小学生の間はメガネにして、コンタクトレンズは中学生以上になってから相談しましょう。
コンタクトレンズはメガネと違って枠がないので、裸眼と同じ広い視野が得られます。また、近視が強いとメガネはレンズが厚くなってものが小さく見えたり、左右の度数差があると使いにくいことがありますが、コンタクトレンズではそのようなことがありません。しかし、コンタクトレンズは直接目の表面に密着させるため、コンタクトレンズが汚れていたり、長時間装用を続けたり、目の調子が悪いのに装用したり、といった誤った使用法によって眼障害を引き起こすことがあるので、「自分の目とコンタクトレンズに対する充分な注意・管理」が必要です。目の調子がおかしい時は、コンタクトレンズをはずして眼科医の診察を受けましょう。
目の調子が悪いのにコンタクトレンズを装用し続けると、重症な角膜潰瘍など失明の危険性のある病気に進行することがあるのです。調子がおかしい時にコンタクトレンズをはずせるように、メガネも持っていることがとても大切です。
レンズケアの目的は、コンタクトレンズに付着している汚れと細菌やカビなど微生物の除去です。誤ったレンズケアはコンタクトレンズの汚れを増強し、レンズの酸素透過性を低下させ目の酸素不足の原因になったり、角膜感染症を引き起こすこともあります。
最近では、ソフトコンタクトレンズの洗浄・すすぎ・消毒・保存が一本で済むレンズケア用品(MPS;マルチパーパスソリューション)を使う方が多いですが、MPSは消毒力が弱いので、指でコンタクトレンズをこすって機械的に微生物を除去するこすり洗いと、装用直前のすすぎを必ず併用しなければいけません。
また、レンズケースも毎日水道水で洗い、コンタクトレンズを装用している間に自然乾燥させ、1~3か月に一度はケースを新しいものに交換しましょう。
コンタクトレンズは目の表面の角膜に密着しています。角膜の障害は、コンタクトレンズの汚れ・変形といったコンタクトレンズのトラブルや、目の乾燥・結膜炎などにより生じることがありますが、軽症では自覚症状がほとんどありません。
目の痛みやかすみ・充血など、自覚症状が出た時にはすでに重症となっていることが多いので、症状のない軽症の段階で眼障害やコンタクトレンズのトラブルを見つけ適切な対処が必要です。
定期検査によって、このような症状のない眼障害やその原因となるコンタクトレンズのトラブルを見つけることができるのです。